電子顕微鏡/機械設計エンジニア

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見えないものを見えるようにする、
技術の追求は終わらない。

Y.O.
電子顕微鏡第二設計部 2002年入社
株式会社日立ハイテク 那珂地区

競合は世界に数社だけ。電子顕微鏡は多数の分野が融合した複雑なプロダクト。

電子顕微鏡は機械、電気、電子、ソフト、光学レンズなど、多様な技術のすり合わせが必要な高度なモノづくりによって開発されています。非常に難易度が高いため、世界で電子顕微鏡を開発している企業は当社のほかには、アメリカ、ドイツ、オランダなど数カ国しかありません。私は現在、電子顕微鏡開発のプロジェクトリーダーを務め、技術分野に関係なく15名ほどのメンバーを取りまとめる役割を果たしています。どのような装置にするのかマーケティング部門との折衝、メーカーの研究所や大学などのお客様の元に出向いてのヒアリングなども行い、仕様を決定しています。

例えば採掘資源が採れる切削物の中にある元素が見たい、病院の手術室に置けるようにしたい、など見たいものや用途によって求められることは様々。開発プロジェクトは長いもので約2年、複数の案件が同時に進行しています。見えなかったものを見えるようにするために性能を上げる、あるいは小型・軽量化する。電子顕微鏡はまだまだ技術を追求して進化していけるプロダクトです。そのためのアイデアや発想は、小さいことでもどんどん試すことができます。私自身、新製品を提案し、実際に開発して商品化したこともあります。

他社がどこも実現していない、「見る」技術に挑戦。

社内の新事業を公募する制度を利用して私が提案したアイデアは、大気中でも対象を見ることができる電子顕微鏡でした。従来の電子顕微鏡は対象を真空中で見ていたのですが、大気中だからこそ見えるものもあると思ったのです。他社はまだどこもやっていないことで、製品化するためには4年くらいかかりました。最初に画像を撮影したものはなんの変哲もない金属メッシュでしたが、本当に感動したことを覚えています。ただ、この技術は新しすぎて、なにに使えばいいのかわからないというものでした。それでも製品化したのは、そうなることを念頭に事業計画を立ててマーケティングを行い提案していたからです。最初の生産分は完売しているので、現在は市場調査期だと位置づけています。

従来の製品に追加できるアタッチメントのような方式で開発をし、需要が出てくればすぐに対応できるように最初から考えて開発を進めました。私は若手のときから技術者にもマーケティングやマネジメントといった、技術以外の視点が必要だと思い勉強をしてきました。そういった考えがアイデアとうまくかみ合ったのだと思います。技術ばかりに気をとられていると、代替技術が出てきたときにその分野が一瞬で終わってしまうこともあります。そうならないように、これからも自分の分野に引きこもることなく幅広い視野をもって、電子顕微鏡の可能性を追求していきたいですね。

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